パック
これも私が小3〜小4の頃だったと思います
母は化粧台の前で、よく“パック“をしていました
これ、今でもあるのかな?
保湿マスクのことではないですよ
ジェル状のクリームを顔に塗って、時間が経つと乾燥して、ペリペリっと剥がすんです
わたし、これがとても好きだったんです
母も時々、少し余ったクリームを私の手の甲に塗ってくれて。
それをペリペリってするの、好きだったなぁ
ワクワク
ある時、母が私の両手に、クリームをたっぷり塗ってくれたんです
すっごい嬉しくて。
剥がす時、どんなだろう?手の形になったりするのかな?私の手、すべすべになってるのかな?
ワクワクして。
そんな時、1階の工場で仕事してた父が上がって来たんです。(2階が自宅)
私は嬉しくて、父にもこの嬉しさを共有して欲しかったのでしょう。
「お父さん見て見て!」
この時の私は、父も私の気持ちと同じになると、なぜか思っていたんでしょう。少なくとも、面白そうなことしてるなぁ、くらいの反応は返ってくると、思ってたんでしょう。
予想外の反応
「子供が何、色気づいとるんだ!!」
「いますぐとってこい!」
まさかの怒鳴り声でした
私はオシャレでしていたわけではない
綺麗になりたいと思ってやったことではない
ただ、手にぬったクリームが乾燥するのが楽しかっただけ。
それを剥がすのが、面白かっただけ
色気づくってなに?
男に媚び売るってこと?
エッチなことなの?
そんな風に見えるの?そんな風に喜んでると思ったの?
気持ち悪い…
当時のテレビは、まだ普通に“お色気”的映像を流してました
それは、子供が起きてる時間帯でも流れてて。
親と一緒にテレビを見てるとき、女の人の裸が映り、母が『まぁ!!』とどこか嬉しそうに言うのを見ていました
その卑猥な感じが、どうにも気持ち悪かった。
で、父親の発言
当時の私には、父が何を言いたかったのか伝わったんだと思います
なんとも言えない、悲しい気持ちと、気持ち悪さと…
母の反応
多分、スルーだったんだと思います
母の性格を考えると、私が忘れてしまったのではなく、無いこととして処理された
私も母に何も言わなかったのでしょう
当然聞こえていたはずなのに
泣きながら洗面所に行き、パックを洗い落としたのを覚えています
そういう家でした
そういう親子関係でした
そもそも
父にとって、パックってお化粧と同じ位置づけだったんでしょう
けど、女の子って、小さいうちから好きじゃないです?
もちろん個人差はあるけど、子供用のメイクセット売ってるし、子供向けのアニメだってお化粧して綺麗になって強くなるし
色気づく
なんて嫌な言葉
父の影響?なんか、すごく見下してる表現に思ってしまう
今思い返すと、あり得ないよなぁ、歪んでるなあ…と、しみじみ思います