AC はむぷた日記

機能不全家族サバイバー はむぷたが大人になって思う事

十姉妹(じゅうしまつ)

ペットショップ

ある日突然父に弟とペットショップに連れてこられた。母がいたかは記憶にない。

十姉妹のカゴの前で「1羽ずつ選べ」と言われた。

私は白い黒目のメスを、弟は焦茶と白のオスを選んだ。

何故父は突然鳥を飼おうと思ったのだろう?

当時、世の中(近所だけかも?)はセキセイインコブームだった

どこの家にも鳥籠があり、多い家には6個とか8個積んでる家もあった。何色と何色をかけるとこの色ができる…なんて言うオバサマも当たり前にいた

インコは賢い。慣れる。手乗りになる。喋る子や歌う子だっている

なのに十姉妹。せめてまだ文鳥ならわかる。何故十姉妹?マイナーだよね?メジャーなのか?少なくとも私の狭い世間で十姉妹を飼ってたと言う人に出会ったことはない。

(※十姉妹も愛を込めてお世話をすれば、飼い主に懐いて手乗りになることは理解してます。当時小学生2年?くらいだった時の思いです。)

お世話

十姉妹はつがいで飼った為か、全く懐かなかった。玄関に置いていたし、慣らそうとしなかったせいでもある。慣らそうと努力しなければ、手乗りにはならないという事も知らなかった。

ある時、卵を産んだ。珍しくて覗いていた為か、ストレスだったのだろう。十姉妹は自分の産んだ卵を食べてしまった。

幼心にとてもショックだった。

大人になった今だから分かることは沢山あるが、当時の自分には状況が理解できなかった。親が子である卵を食べるなんてことがあっていいのか?

母は「あれ、まぁ」とだけ言った。父は無関心

父はただ買い与えて満足して終わり。母は、カゴをきれいにして餌を買う。餌やりと水替えは私の仕事。弟は何もしなかった。

食べてしまった件を踏まえて、卵を産んだら決して覗かないようにした。(当時の私のバイプルは図鑑でした)そしたら雛が孵った。可愛かったけど、うちは何羽も買えないのでペットショップに持っていった。餌と引き換えに引き取ってくれた。そんなことが3回くらい?あった。

ある時、片足の指のない子が1羽孵った。とてもショッキングだった。この時初めて、鳥にも奇形が存在するのだと知った。この子もペットショップが引き取ってくれた。

この指のない子は無事に育つのか?これからどうなってしまうのか?

心配だったけど、子供の私に飼うという選択肢はなかった。

多分、いじめられっ子の自分と重なったのだろう。

飼った理由

今でも、何故父に十姉妹を買い与えられたのか謎だ。確かに動物好きで、誕生日プレゼントは必ず図鑑をお願いしていたが。私がいじめられてるのを知ってたから?いや、私は鳥を飼いたいなんて全く思ったことはなかった。それともご近所さんからの圧で、母が飼いたいとでも言ったのだろうか?だったら何故母のペットではなく、メスは私のでオスは弟のと言ったのだろう?そして何故弟は何もしなくてokだったのだろう?私よりも小さかったから?だったら私の鳥か、母の鳥…ではないのだろうか?

ある時から世話は全て私の役目になった

ただ、まだ小学生の自分。全てが完璧に出来るわけもなく、また、置き場所が玄関だったから愛着が湧かず忘れることも多く、水替えや餌やり、掃除を放置することが多かった。

気がつくと虫が湧き、気持ち悪くて母にお願いして、その時だけはやってもらうこともあった。

そんな悪環境の中でも2羽の十姉妹は強かった。長生きした。幼い心で「もういい加減にしてくれ、何故私だけが毎日世話をしなければならないのか?私が飼いたいと言ったわけではない…」と、心の底から思っていた。

ある時、2羽は順番に旅立っていった。申し訳ないが、ホッとしたのが正直な気持ちだった。

この件の為か、鳥は好きだが飼いたいとは今でも思えない。

愛情を込めてお世話できなくて、本当にごめんねって十姉妹には思います。

以来私は、ペットは必ず私が毎日寛ぐ場を、置き場所にしています。