通信教材
3年か4年の頃
学校帰りにおじさん(小学生目線なので、実際は若かったかもしれない)が下校中の子供を呼び止めていた。
通信教材の宣伝で、勉強を頑張って提出すると色々なご褒美がもらえると言うものだった。
その中の下敷きがとても素敵だった。透明で四角く格子状のホログラム柄でものすごく欲しかった。
私は家で勉強する習慣がなかった。親は私の勉強を見てくれなかった。祖母に見てもらえて嬉しかったけど、教えてくれた祖母は母が帰って来てからは、当然だが来なくなっていた。
(この辺りの事情は“全ての始まり”に書いてありますので、もし宜しかったら読んでみてください)
当時、漢字以外は成績は良かった。学校の授業だけで、ちゃんといい点は取れた。ただ、自宅勉強が身についてないせいで、コツコツやらねばならない暗記科目(=漢字)は全くできなかった
これはいい!と思った。これなら父はokと言うだろう
生まれて初めて、親に自分の望みを言おうと思った。
帰ってまず母に言った。母は、いいけど父に言いなさいと言った
父に言った
物が欲しいから勉強するのは間違ってる!
激怒だった
生まれて初めての父へのお願いは、「父は私の考えなど聞いてくれる人ではない」という事を認識する行為になった
私の習い事は、始めるのも、辞めるのも、選ぶのも、全て父だった
その後、父が決めた塾に通うことになった
“CDで説明を聞いてプリントの問題を解く”という、今で言う映像授業の声だけバージョンだった
新しい知識は増えなかったし、漢字ができるようにはならなかった。当然、成績は上がらなかったし、モチベーションも上がらなかった